February 12, 2018

路線バスの「内部補助」を考える。両備が赤字31路線で廃止届 | タビリス http://tabiris.com/archives/ryobi/
>2018年2月10日
>両備ホールディングスが、傘下2社の赤字路線バスのうち計31路線について廃止届を提出しました。格安運賃を武器にした他のバス会社が、同社のドル箱路線に参入することに対し、抗議の意志を示した形です。
ryobi1 両備グループ小嶋光信代表 写真:両備ホールディングス報道資料より http://tabiris.com/wp1/images/2018/02/ryobi1.jpg
>両備HDが、突然、大量の路線廃止を発表した理由は、岡山市中心部を走る循環バス「めぐりん」の新路線の開設にあります。
>「めぐりん」は、タクシー事業の八晃運輸が2012年から運行している路線バスです。現在は岡山市中心部で5路線を運行しており、100〜200円の格安運賃が売り物です。
>八晃運輸は、2017年3月末に新しい路線として「めぐりん益野線(仮称)」開設を中国運輸局に申請しました。岡山駅前を起点に県庁前、東山、西大寺などを通り、イオンモール岡山を経由して岡山駅前に戻るコースです。この路線は、両備バスのドル箱路線である西大寺線と重なっています。
>「めぐりん益野線」の料金は両備バスの140円区間と220円区間が100円に、400円区間が250円に設定されています。そのため、運行開始されれば、両備にとっては大打撃となることが予想されます。両備では、岡電バスとあわせた2社で年間2億8100万円の減収になると見込んでいます。
>両備HDの場合、両備バスは3割の黒字路線で7割の赤字路線を、岡電バスは4割の黒字路線で6割の赤字路線を支えています。
>小嶋代表は、同社ウェブサイトに掲載したメッセージで「黒字路線を狙い撃ちにした(新規事業者の)進出がなされれば、黒字路線も大幅赤字となってしまい、今まで黒字路線の利益で支えていた赤字路線の維持はできなくなります」と訴えました。
>バスは新規参入と撤退が容易なだけに、新規事業者は容易にドル箱路線「だけ」に参入することができます。しかし、ドル箱路線だけを運行するバス会社ばかりになったら、利益にならない赤字路線バスを運行する事業者はいなくなってしまいます。(鎌倉淳)

黒字部門の利益で他の赤字部門をカヴァーする社内プール制自体は別におかしくないが、しかしそれにも限度というものがある。その不採算部門を立て直せるアテがないんだったら、一般企業なら尻を叩かれるか肩を叩かれるかするものだ。公共交通機関を純粋に採算性だけで評価するのか?という声もあろうが、JRだって幹線と地方交通線では料金体系が異なる。現状の両備バスの黒字路線利用者は不当に高い料金を払わされている事に他ならない訳で、現に「めぐりん」はこの料金でも採算が取れるから参入するのであって、不当なダンピング運賃では決してない。生活交通路線と認められたものの運賃に関しては国や都道府県、沿線自治体等からの公的な補助制度があるが、それが現状に必ずしも即してない事にも問題の一端バスあるのであって。
 運輸行政の自由化で、こういう事は過去にも起きている。一番顕著なのはいわゆるツアーバス、大都市間を相互に結ぶ路線に新規参入が相次ぎ、その運賃は劇的に下がった。下がり過ぎた弊害として悲惨な事故も起きたが、それも今では是正されたし、価格競争と逆行する形で高級化に走ったバス会社まで現れた。この部分を取ってみればプラス面の方が圧倒的に大きい。
 もう一つ、バス界に先駆け、航空行政でもこの自由化が図られている。もっとも、こちらではドル箱路線のみに新規参入したエアドゥやスカイネットアジア航空(=現ソラシドエア)と真っ向勝負すべく、レガシーキャリアはなりふり構わぬ価格勝負に出て、その体力差をフルに活かし迎撃し、最終的には傘下に収める事に成功した(客の立場からするとそれは「成功」なのか?という問題はあるが)。
 とまれ、低廉な運賃というのは利用者にとってありがたい、歓迎すべき事だ。その恩恵を、旅打ちの際に存分に預かってる身としては(-人-)
アウト・オブ・ザ・ブルー
ソニー・レッド
EMIミュージックジャパン
2009-09-16



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