August 28, 2015

競輪事業撤退で県提訴へ 川崎、小田原市 http://www.kanaloco.jp/article/117574
>社会|神奈川新聞|
>公開:2015/08/26 03:00 更新:2015/08/26 03:00
>川崎市と小田原市は25日、川崎、小田原両競輪場からの競輪事業を撤退した「県競輪組合」の構成団体だった県と横浜、横須賀市を相手に、撤退に伴う損害賠償を求めて近く提訴するとそれぞれ発表した。賠償請求額は川崎市が5245万円、小田原市は2757万円。ともに9月開会の市議会に関連議案を提出する。
>両市によると、同組合は競輪の来場者減少が続き、存続させれば累積赤字の拡大が避けられないなどとして、2014年11月に両市に通知した上で同年度限りで競輪事業から撤退、解散した。
>川崎市は14年8月、競輪事業から撤退した鎌倉市など3市1組合から解決一時金として計約1億5900万円を受け取っている。しかし今回は、川崎、小田原両市とのこれまでの協議で、県と横浜、横須賀両市は「支払いの法的根拠がない」として解決一時金の支払いを拒否しているという。
>請求する金額は、これまでの事案と同様に競輪場施設使用料の支払いを2年間分受けられなかった減収相当分として、直近3カ年の施設使用料を基に算出したという。
>平塚市は07年、平塚競輪から撤退した鎌倉市を相手に補償金(解決一時金)の支払いを求めて提訴。横浜地裁は10年5月、「相当な予告期間を置かずに契約を終了させており、損害賠償の義務を負う」と、鎌倉市側に補償金約1億円の支払いを命じている。
>川崎市の福田紀彦市長は同日の会見で「本当に残念な結果だが、必要な手続きだ。司法の場で解決したい」、小田原市の加藤憲一市長も「双方の主張が折り合わず、客観的に司法の判断を仰ぎたい」と話した。一方、県などは「まず市議会での審議を見守りたい。議案が議決され、実際に訴訟が提起された場合、訴状内容を十分に精査した上で対応を検討する」などとコメントした。

これ微妙だなあ。
 まず、記事に有る、川崎市が3市1組合から、平塚市が鎌倉市から補償金(=解決一時金)を得た事について。競輪には、特別・準特別・記念のどれか一つを年度内に一開催し、残りが一般開催となる。年に一度の特別(ry にはスター選手が出るから売上が見込めるが、選手に支払う賞金や警備などの経費も高く、だから昭和の公営競技全盛期には、むしろ一般開催の方が利益率としては良かった。で、その時代は車券を印刷するイコール紙幣を発行するような状態で、競輪場を擁する自治体は近隣自治体からは当然羨ましがられる。そんな訳で、それらの自治体は前述の一般開催の一部を借り上げる形で開催していた。客からすれば関係ない話だが、例えば川崎競輪でもオフィシャルの出走表には「主催・鎌倉市」などとなってて、これが借り上げ開催だ。借り上げ施行者は一定割合を本来の施行者たる競輪場所有自治体に納め、残りが収益となる。
 ところが、2002年に競輪界が極めて大幅な制度改定をして、施行者の収益構造が一変した。具体的には、一般開催が(僅かな例外を除き)やればやるほど大赤字となり、施行者は年に一度の特別(ry で年度内の全ての稼ぎを得る、という風になってしまった。こうなると借り上げ施行者はたまったものではない、かくて我先に逃げ出そうとする訳だが、そこで施行者間の協議が不調に終わると、記事にあるように平塚市が鎌倉市を訴えたような事となる。
 その上で、川崎と小田原(以下「両市」)が県と横浜・横須賀市による県競輪組合(以下「組合」)を訴えたのは様相が異なる。元々、組合は赤字のため09年度いっぱいで廃止となった花月園競輪を開催していた。で、そのまま清算だと大赤字なので、管轄団体たるJKAに掛け合って、記念(花月園メモリアル)と一般開催1節だけを、14年度までの5年間だけ、両市で借り上げ開催を施行する事となった(川崎でメモリアムをやる年は小田原で一般開催4日間・小田原でメモリアムをやる年は川崎で一般開催)。それで組合は累積債務を大幅に圧縮、めでたく解散となった顛末は当時ネタにした。
花見月見の季節も終わり:酒とワラwの日々
だから組合にしてみたら「最初から5年限定って約束で合意してたじゃない、何で補償金なんて話になるのよ知らないよ」ってなもんだ。と、これだけ見れば組合の方に説得力が有って、両市の訴えはちょっと無理筋に映る。
 でも、市が県を訴えるというのはそれなりにリスキーなものだし、川崎と横浜はお隣さん同士、市営地下鉄の延伸計画で川崎市に乗り入れるなんて話も上がってるほど、だから無駄な争いはしたくないに決まってる。「カネ入るかもしれないからダメ元で提訴してみました、テヘ」ってやるような性格のものではない。じゃあなぜこうなったか。
 前述の拙ブログでも触れたが、組合は15年度以降も競輪開催の可能性を一応検討していた。だから「もし来年度以降もやる事になった際はお願いしますね」と現場レヴェルではなっていたのは当然だが、実際にはそれどころではない、相当突っ込んだ話し合いが持たれていたのだろう。で、例えば実務レヴェルでは15年度以降もやる気満々だったが公営競技事業部長、あるいはその上のレヴェルでの話し合いで、組合の方針としては競輪撤退という結論になった…とか。あるいは、実務を担当していた組合構成団体のうちの一つはやる気満々だったが、組合の方針としては多数決で負けて競輪撤退となった…とか。ただいずれにせよ、両市は組合がやる気なんだと認識していなければ、去年の11月から9ヶ月も話し合いなんて事態にはならないだろう。そしてその結果がこうなったと。
 …まあ、一車券客に過ぎない俺には、直接的には関係ない話だ。神奈川県民でもないから俺の払った税金が云々って話でもない。でもやっぱ、輪界にネガティヴニュースが走るってのは気持ちの良いものではないからねえ( ´-`)y-~~~

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