July 18, 2012

AUTHOR’S INTERVIEW ママチャリ文化にみる日本の危機:世界最強の自転車メーカーGIANTに学ぶ http://wired.jp/2012/07/17/giant/
>パナソニック7,721億円、ソニー4,566億円、シャープ3,760億円。日本を代表する電機メーカー3社の赤字額(2012年3月期決算純損益)は日本のものづくりがいかに危機的な状態にあるかを物語っている。だがこの数字を見てさほど驚かないのは、その不調がいまに始まったことではないとどこかで感づいているからだろう。
>では衰退の始まりはいつだったのか、そんな日本の状況を尻目に世界ではどこが成功を収め、発展していったのか。それは誰の手によってどのような考えのもとで成されたのか。もっと世界へ目を向けてみると、何かヒントが見えてくるかもしれない。
>日本の目が世界に向いていない証拠のひとつとして「ママチャリ文化」がある。男性が何も恥ずかしがることなくママチャリに乗っている国は日本くらいであり、外国人からするとその光景は奇妙に見えるという。だがその「ママチャリ文化」の裏には日本の自転車業界が衰退した理由が潜んでいる。またそれを糸口として、世界の自転車産業の盛衰に目を向けていくと、ほかの産業にも通じるアイデアが見えてくる。
>異邦の地においてその「ママチャリ文化」の奇妙さに気がついただけでなく、運命的に世界最強の自転車メーカーと出合ったひとりの新聞記者がいた。彼は言う、日本の「ガラパゴス化」は実は自転車から始まっていたのだと。
>その新聞記者の名は野嶋剛。彼は2007年に朝日新聞の特派員として台湾に赴任した。当時、4年に1度の総統選挙が1年後に迫っていた。そのため、馬英九候補が選挙運動の一環として挑戦した、「自転車で台湾を縦断する」というニュースを取材した。
>そこで思わず馬候補が乗っていた「台湾国産メーカーの自転車」が目に留まった。自転車にはそれほど縁のない人生を送ってきた野嶋は、そのとき初めて「GIANT」という自転車メーカーの名前を認識したそうだ。
>その後、GIANTの創業者である劉金標の活動を追ったり、台湾でヒットした自転車がテーマの映画『練習曲』を観たりするうちに、次第に関心が高まっていき、ついには一冊の本を書いてみたいと思うまでなったという。そうして、先月出版されたのがこの『銀輪の巨人』である。

 銀輪の巨人
 
銀輪の巨人

 著 者:野嶋 剛
 販売元:東洋経済新報社
 発売日:2012-06-01
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 >自転車メーカーとして世界最強のポジションに昇り詰めた台湾の「GIANT」。
 >世界最高峰の自転車レース「ツール・ド・フランス」の制覇を繰り返し、伝統の欧米市場で急拡大するとともに、中国市場でも圧倒的存在感を示す。そんな彼らの実態に手練れのジャーナリストが鋭く深く切りこんだ一冊。
 >「GIANT」のブランド名は広く知られているが、それを作っている会社の実態はほとんど知られていない。そのヴェールが暴かれていく爽快感の一方で、かつてかつて世界に君臨した日本の自転車産業が、いまや決定的な空洞化に陥っている現実が戦慄を伴って描かれる。
 >ジャイアントの「明」と日本の「暗」は、電機や半導体など日本の基幹産業が陥りつつある危機と二重写しになって、本書を実に興味深い「産業論」としても成立させている。

>日本は人口が1億3千万人もいて、少なくともいままでは日本だけでも十分やっていけるマーケットではあったんですね。一方、台湾は人口2,300万人ですから、ひとつの企業が台湾のマーケットだけで生存していくことは不可能です。そのため、創業時の段階から彼らは海外に目が向いています。
>GIANTは自分たちの作る製品が世界で売れなければ生きてないと初めから考えていて、グローバルスタンダードとなるようなモデルをいかに作ろうかと必死になってやってきたわけです。
>一方で、日本の自転車メーカーは1980年代以降、世界をリードする自転車を作れていません。その理由というのは、日本の市場で売れる自転車の9割がママチャリなので、それを作り続けていれば一応会社の経営規模としては安定することができていたからなんです。そのため日本のメーカーは厳しいグローバルマーケットでの競争に打ってでなかったのです。90年代はそれでもなんとかなったのですが、いずれ中国が質のいい自転車を作れるようになってからは、安い中国製のママチャリが洪水のように日本に入ってくるようになってしまいました。すると日本企業は収入源であったママチャリが売れなくなってしまいました。

>これは決して自転車メーカーだけの話ではありません。電機メーカーなどがいま直面している問題が自転車業界では10年くらい早く起きてしまっていたのでしょう。だからこそ、その原因を探り、またGIANTが何で世界No.1になれたのかを理解することは日本の産業界にとっても意味があるのではないかと思い、この本を書きました。
>どんな企業も社会という大きな枠のなかで生きているわけですよね。なので「自分たちの製品が何らかのかたちで社会を変えることに役立つんだ」という信念をもってやってほしいと思います。
>GIANTを見ていると、日本では最近見かけなくなってしまったそういう企業の使命感のようなものが伝わってきました。
>日本はとても自転車に乗りにくい社会です。歩道を走れば歩行者に迷惑がられ、車道を走ればクルマにクラクションを鳴らされるので、「ではどこを走ればいいのか?」と言いたくなりますよね。いままでの自転車業界や自転車関係団体は、自転車とはいかにあるべきか、いかに自転車を社会のなかで受け入れるべきか、ということに対して真剣に取り組んできませんでした。だからみんな家から駅までの通勤通学にしか自転車に乗らなくなってしまったわけです。普段の生活で1時間以上自転車に乗れる社会をつくってこなかったのです。そういうところはやはり変わってほしいと思いますね。
>TEXT BY WIRED.jp_M
>2012年7月17日

原ソースは超ロングインタヴューなのでかなり端折ったが、ビジネス論としてかなり面白かった。で、

 >日本は人口が1億3千万人もいて、少なくともいままでは日本だけでも
  十分やっていけるマーケットではあった

この部分は地方競馬、

 >日本はとても自転車に乗りにくい社会です。歩道を走れば歩行者に
  迷惑がられ、車道を走ればクルマにクラクションを鳴らされるので、
  「ではどこを走ればいいのか?」と言いたくなりますよね。いままでの
  自転車業界や自転車関係団体は、自転車とはいかにあるべきか、
  いかに自転車を社会のなかで受け入れるべきか、ということに対して
  真剣に取り組んできませんでした

この部分は競輪の関係者全員が真摯に反省しなければいけないだろう。いや今から反省したって失われた時間は戻って来ないけども( ´-`)y-~~~

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