July 26, 2011

 若くてバリバリに尖ってた頃のダウンタウンについて、故・ナンシー関は著者の中でこう触れている。

 >ダウンタウンは、ある意味で「庶民感覚」が欠落している部分がある。
  この庶民感覚というのは、普段この言葉が表すところの金銭感覚や
  生活習慣に関する慣用句としての意味のそれではなく、文字通りの
  「様々な事象に対する世間一般の平均的な感情」を指す。
 >それを痛感したのは、貴花田が初優勝した翌日に「あのブタ、
  優勝したらしいで、ケッ」と言い放ち、バルセロナオリンピックの最中に
  柔道の田村亮子選手を「なにが柔ちゃんや、あれ妖怪タンコロリンやん」
  と心底バカにする、といった場面である。世間からチヤホヤされている
  ものに対して、それをおとしめるような事を口にするという
  「裸の王様」式のレトリックは、すでにお笑いの常套手段となっている。
  しかし、それには「みんなも薄々そう思っている」という絶対条件が
  つく。が、ダウンタウンの場合、その絶対条件を無視する場合が
  往々にしてあるのだ。貴花田と柔ちゃんは、それぞれ時期的に
  「全国民の絶対的好意」を取りつけている最中であり、加えて優勝や
  銀メダルといった「実(じつ)」をも備えているのだから、言ってみれば
  「王様は裸ではない」状態に十分あったのである。しかし、それをも
  「裸である」と言ってしまうのがダウンタウンのすごいところだ。
  いや、言ってしまうことは誰にでもできるのである。彼らには、
  「裸」に見えているというのが真のすごさであると言い直そう。
 何をいまさら (角川文庫)
 
何をいまさら (角川文庫)

 著 者:ナンシー関
 販売元:角川書店
 発売日:1998-04
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今ならさしずめ、なでしこジャパンを不細工呼ばわりするようなものだ。で、実際それやって炎上させた人が居るように、毒舌というのは加減が難しい。辛口発言は比較的手軽に評論家気分を味わえるが、誰をどの角度から攻めるかをきちんと見極めないと、人を刺した何万倍の力が自分に返って来る。ダウンタウンが凄いのは、その計算をしてるようには見えなくて、しかもそれでも支持されたという点だ。まあお笑い芸人というポジションや、時代も有ったろうけども。
 さて、今でも毒を撒き散らし続けるエンターテイナーといえば西原理恵子。今週の週刊SPA!でやまと競艇学校を取材し漫画を描いてるのだが、そこで教官の植木通彦(艇王!)を

 >あのポッケに300円くらいしか持ってなさそうなイモジャーのおっさん

信奉者が見たら立ち眩みしそうな鬼フレーズ、さすがというしかない。競艇全般に関しても

 >この仕事は体調はもちろん体重を常に50kgにキープしなきゃいけない。
  成功しても酒とうまいもんを常にガマン。欲をガマン。ガンジーみたい
 >頂上に行けば行くほど貧相な人々が君臨

狂犬サイバラ未だ衰えを知らず(((((゚д゚)))))ガクガクブルブル

Nancy Wilson & Cannonball Adderley
Nancy Wilson & Cannonball Adderley

アーティスト:Nancy Wilson / Cannonball Adderley
販売元:Blue Note
発売日:1993-02-09

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