July 26, 2014

 馬主の西山茂行氏が毎土曜、日刊スポーツ(東京版だけ?)の競馬面にコラムを連載してるのだが、今日の内容には驚いた。
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 >今から10年ほど前の話。筆者が東京競馬場馬主協会の役員になってまだ3年生の頃。
 >当時、同協会の副会長だった故阿部雅一郎さんから「札幌と函館競馬場はなくなるかもしれない」と聞き、驚いた記憶がある。
 >その頃は、1997年(平9)の売り上げ4兆円をピークに毎年、右肩下がりにJRAの馬券売り上げが落ちていき、いろいろな対策を考えている時代だった。
 >「札幌と函館は馬券が売れない。両競馬場を廃止して、南千歳にある農水省所有地に『新札幌競馬場』を作り、そこで北海道2開催という案が出ている」
 >その後、その話は函館馬主協会の強い反対にあい、むろん、札幌馬主協会も反対して立ち消えになった、と伝え聞いた。
 >2010年に函館のスタンドが新築になった時点で、函館から競馬がなくなることはなくなった。そして札幌も新しくなり、馬主としても、一競馬ファンとしても札幌へ行くのが楽しみになった。

そんな計画が有ったとは(゚д゚)!
 今から10年ほど前っつうと04年頃か。これに先立つ97年の暮れ、道内各地を巡業するスタイルだったホッカイドウ競馬が新築の門別に集約移行したが、それで道営が経営改善して行ったのを見て「ウチもアレで行く?」とJRAも検討し出したという事なのか。
 北海道の巨大さを表すために札幌と東京を重ね合わせた画像をしばしばネットで見掛けるが、
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(いずれも拾い画像)

笑ってしまうよな。札幌〜函館は大した事なさそうに映るが、JRの特急は札幌を出るや函館とは全くソッポな、千歳〜苫小牧と進路を取る。そのココロは函館本線だと小樽〜長万部が単線かつ山岳区間のためスピードが出せないためで、だからそれこそ北斗七星のようなルートでこれだけ遠回りして、それでもなお約3時間と小樽経由より遥かに早く着く。対して、JRは最高速120kmだがバスは高速道も80km制限、だから一般道だが最短ルートの定山渓〜中山峠〜洞爺湖をモロに突っ切って行く、それでも4時間半。こんな調子なので、直線距離だと大した事ないこの両都市間に飛行機が飛んでて、しかも搭乗率も良い。東北新幹線がまだ盛岡止まりだった頃ですら、北海道財界や地元代議士から「そんな事より札幌〜新函館を先に着工した方が経済効果が云々」と声が挙がったのはそんな事情からだ(北海道に無理解な人には一笑に付されて終わり、だったが)。
 まあ新幹線はともかく、現状、札幌の調教馬場には函館に有るウッドチップコースが無く、だから函館で追い切って札幌に輸送する馬が少なからず居るが、彼らも4時間コースという事だ。だったらもう新しく競馬場作っちまえ!っつうのは一理有る。年間8週(今は僅か6週!)しか使用しないコース×2場のためにリソースを割くのはもったいない…っつうのはコスト意識働く人なら当然考えるだろう。函館も札幌も洋芝のため他場とは違った傾向が現れるとはいえ、モニターの中で馬券を楽しんでる人には福島や小倉と同じく右回り平坦小回りとキャラカブリ。馬鹿デカいとか直線長いとか坂が有るといった個性的なコースを新造するメリットは十二分に有る。それに渡欧するなら成田や関空より千歳の方が近い、新競馬場に隣接して検疫施設を作れば札幌記念→凱旋門賞ってローテーションが定番化するかもしれず、ひいては札幌記念をGIに…って、これこそ夏競馬盛り上げの王道ではないか!
 とまあ、夢想は膨らむ一方だが、とにかくJRAは集約新造はせず現行の函館と札幌を改修する、という選択をした。であるならば、「やっぱ函館残しといて良かった(´∀`) 」と思わせるだけの事をしなければいけない訳で、まあ頑張ってくだされ。

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